分譲

不動産住戸表の「売約済」マークはウソ!? 住戸表の裏目的

モデルルームや物件の見学に行った際に渡される「住戸表」について、疑問を持ったことはありませんか?

たとえば、あまり人気がなさそうなのに、やけに売約済みのマークが多くついていたり……。

今回は、不動産の住戸表について、不動産営業をしていた私が、一般の買い手が知っておくべき、売り手の裏情報をご紹介します。

 

1.不動産の「住戸表」の役割(表向き)

不動産住戸表はどのように使われるのでしょうか。最初に、「表向き」の役割をご紹介します。

①住戸割りと金額を一覧できる

Aタイプ101号室 ○○千万円、Bタイプ102号室 ○○千万円……。このように部屋番号と金額が文字で羅列されただけでは、情報がすんなりはいってこないですよね。

そんなときに、住戸表を用いて、住戸割りや金額を一覧で確認できると、買い手にとって販売されているマンションの全容を一目で分かり、迅速な判断材料の一翼を担うことができます。

(ちなみに、営業マンにとっても接客に何時間かけようが、成約の1件の数字へのコミットは変わりませんので、できるだけ早く購入を決断してくれる顧客は大変ありがたいです。。。)

②購入の可否がわかる

物件の販売が進むと、住戸表の部屋の上に、「売約済」・「成約済」・「分譲済み」・「供給済」だったり、「申込」だったり、はたまた黒で塗りつぶされることが多いです。

つまり、住戸表を使って、どこの住戸が販売済みなのか、買い手が検討できる住戸はどの部屋なのか、いちいち営業マンが説明をせずとも確認をすることができます。また、売れている部屋(=人気の部屋)がどこなのかも分かりますね。

③割安な部屋の判断材料にも?

住戸表では、販売住戸の価格や売れすじを確認できる他、実は一覧にすることで割安な部屋の判断材料になることもあります。例えば、住戸表を見てある階数からぐっと販売価格が下がっているとき、ありませんか?

あるいは、通常南向きの方が値段が高いはずが、北向きとあまり価格差がない……、ということも。

その理由は、価格が低い住戸になにかしらのネックがあるからです。

代表的なものとして、前面の建物と住戸がかぶっていて日当たりが悪い・眺望が悪い、大通りや線路が近い、等々。しかし、「日当たりなんて気にしない」「部屋の条件が悪くても少しでも安く物件を手に入れたい」という買い手も一部いますので、その方達にとっては割安な住戸をすぐに探し当てることができるツールが住戸表なのです。

 

2.住戸表の「売約済」マークはウソ?! 不動産屋側の思惑

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売りたい部屋に誘導したい

マンション販売の不動産屋のゴールは、そのマンションを「全戸完売」させること。

そのために、購入者を1ピース、また1ピースとパズルのようにはめ込んでいき、ゴール(完売)させるのです。

ですが、販売の中でどうしても不人気住戸や売りづらい住戸が出てきてしまいます。

バランス良く販売する

例えば、第2期、第3期販売で来場した顧客がある一部の住戸タイプだけ売れ残っていたら、、または3階以下だけ売れ残っていたら、、、どう思うでしょうか?

「あー、この間取り、人気がなくて売れ残ってるんだなぁ。もっと早く来場すればよかった。。。出遅れたから、この物件の検討はやめよう」そう考える買い手は少なくないはずです。(実際に私も営業して、そういった断り文句を何度となく聞いてきました。)

そういった状況を防ぎ、バランスよく販売を進めていくために、売れていない住戸に「済」スタンプをつけてしまうのです。

営業マンの成績

また、不動産会社によっては、「この部屋を契約させたら評価が上乗せになる」という、いわゆる「重点住戸」などといわれてたりする部屋をもうけている会社もあります。営業成績によってお給料が大きく変化する不動産業界では、営業マンは血眼になっって売りたい部屋に誘導させるのです。

予算ギリギリの高い部屋を買わせたい

これは、売りたい部屋に誘導したい、という思惑と多少似ていますが、高予算者からは予算一杯の住戸を成約させたいのです。

例えば、予算7,000万円の買い手がいたとします。とあるマンションで、8階は6,999万円、6階は6,499万円で販売中の場合、もし6階と8階に大きな条件の差がなければ、「眺望もそんなに変わらないし6階でいっか」と考える買い手も多数います。

ただ、それは不動産会社によっては機会損失! 4階は予算6,500万円の顧客のために、残しておきたいのです。そんなときに、6階に「済」スタンプを押してしまい、8階に誘導させるのです。

売れていると思わせる

これは、想像しやすい話かと思いますが、「済」スタンプがたくさん押されている住戸表を見たとき、「このマンション人気だな、売れているんだな」と買い手は直感的に考えます。

ですので、売れ行きが芳しくないとき、人気感を醸成させるために、「済」スタンプが登場するのです。

 

3.ウソを見破る方法

住戸表は参考にすべき情報ですが、無邪気に鵜呑みにすると、先述の通り不動産屋のカモになるので注意が必要です。あくまでも、判断材料の一つとして売約済マークと向き合ってください。

それでは、どの様にウソを見破れば良いのでしょうか。

表記の差異で見破る

一つ目は、住戸表の表記を確かめる方法です。

顧客ごとに売りたい部屋は違うため、住戸表はその表記が人によって違うことがあります。

極論を言ってしまうと、来場者どうしお互いの住戸表を突き合わせて差異がないか確認してみるのは、ひとつの手です。(といっても、なかなか見ず知らずの人と「住戸表見せあいっこしましょう!」と持ちかけるのはハードルは高いと思いますが。。。)

質問/交渉で見破る

売約済みの部屋について質問・交渉してみるのもいいと思います。

営業マンに深く、深く突っ込んでみてください。例えば、当該住戸はいつ成約したのか、住宅ローンの承認が下りてすでに”契約”までしているのか、今後再販される可能性はあるのか、、、等々です。

営業マンがたじろいだり、返答がはっきりしない場合はダウトの可能性あり!

一生に何度とないマンション購入、自身にとって満足のいく買い物となるよう、とことんいきましょう。

 

4.まとめ

ポイント
  • 煽って売るのが基本なので、正常な判断をするためにも、住戸表がウソにまみれていないかチェックしましょう
  • 必要以上に高い部屋を買わされないように、自分が必要な要件と、予算は常に意識して交渉しましょう

 

ABOUT ME
不動産女子
アラサーの不動産女子です! 新卒で大手不動産会社に就職し、マンション販売や賃貸の営業や企画をしてきました。(営業が好きすぎて、社内表彰多数。)
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