「お客様来場アンケート」とは?
マンションギャラリーへ初めて来場した際に、必ずといっていいほど記入させられるのが「お客様来場アンケート」。最近は、紙媒体ではなく、iPad等の電子媒体でアンケートを取得する不動産会社も多くなってきました。
強気な不動産会社だと、このアンケートを記入しないとモデルルームすら見せてくれない会社もありますね。
この来場アンケート、ただの個人情報取得のためのものではないんです。そこには、不動産営業のための深くて細かい目的があることをご存じですか?
今回は、そのアンケートの代表的な質問項目をピックアップし、営業にどのように使われるかを明かします。
物件を見学しようとしている方には、どのような理由で情報をとられているのでしょうか。若手営業マンの皆さんには、取得したアンケートを元に顧客の心をキャッチできる提案ができているでしょうか。
事例を交えつつチェックしてみましょう。
氏名
ペンを握って一番に記入する、本人の「氏名」。ここから、営業マンの情報戦は始まっています。私は、新人のときから「まずはフルネームをググれ!」とたたき込まれました。
え、どうして?? と思われる方も多いと思いますが、このご時世、お名前を入力すると大体なにかしらのサイトでヒットすることが多いです。
例えば、Facebook、大学時代のゼミの活動報告、勤務先のHPなどなど……。これらから入手した情報で、顧客の属性・性格・嗜好性を想定し、営業方針を決めていくのです。
ケーススタディ~名前をググった結果~
- 陽キャを全面に押し出したFacebook、学生時代は体育会系の部活に所属していたことが判明
→顧客との距離が近い「友達スタイル」での営業、感情論多めの営業スタイルがはまりそう - 理系のゼミに所属、勤務先HPでもなにやらシステム関連の解説をしている
→論理的な営業、物件のスペックやデザインの細かいこだわり、背景説明に興味を持たれそう
といった感じで、営業方針を事前にイメージするのです。
第一印象で「この営業マン、自分と相性がよさそう」と一瞬で判断してもらうためにも、事前のリサーチは大切になります。
生年月日
ここで知りたいのは、物件の引き渡し時に顧客が「何歳であるか」ということです。
多くの金融機関では、35年ローンを基軸とし、完済時の年齢を80歳までとしています。つまり、「80歳-35年」で45歳までであれば、通常の顧客と同様に35年ローンを組める計算になります。
さらに大事なのは、【引き渡し当日】に何歳であるかです。極端な話、引き渡し前日に誕生日を迎え、46歳になることが想定される場合、ローン年数を35年で提案できず、結果月々の返済負担金額が上がってしまう顧客には、できるかぎり物件価格の低い住戸の提案を、しなくてはいけないのです。
例えば、営業マンが上層階からの眺望が売りの物件を担当していたとします。
本来であれば、営業トークで「本物件はお部屋から見える夜景/公園の緑/東京タワー/スカイツリーが大変好評の物件です!」といいたいところ。しかし、35年ローンが組めない顧客に対しては、現実的な部屋を提案する必要があるため、「大通りに面してないので低層階でも静か/前に大きな建物が建っていなので低層階でも日当たり抜群」などと、訴求内容を変えていくのです。
住所
住所から読み取れることも多々あります。
まずは、オートマチック的に、顧客の住所をGoogleマップで検索します。そこから、
- 駅までの距離
- 居住地の外観
- 前面の建物状況(日当たりや眺望はどんな感じか)
などを確認するのです。
つまり、駅距離が遠い物件に住んでる顧客に対しては、担当物件の駅距離の近さを猛アピールしますし、明らかに築年数が経っている物件に住んでいる顧客に対しては、新築マンションならではの新しい設備や暮らし方を訴求するのです。
また、賃貸マンションに住んでいる場合は、住所から、
- 家賃
- 間取り
- 設備仕様のスペック
等々の情報も入手できる場合があります。
これらの情報ももちろん、顧客の心をキャッチするための営業トークに使われていくのです。
おわりに
来場アンケートの基本的な個人情報3項目をとっても、ここまで深く読み取ることができました。
解説が長くなってしまうので、次回の記事で続きの項目をお伝えしたいと思います!
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